アル・ジャジーラ「イスラエルがヨルダン渓谷の水へのアクセスを制限」

2012年8月27日

Dalia Hatuqa Al Jazeera 28 Jul 2012

ヨルダン渓谷のパレスチナ人コミュニティーには、古井戸の修繕にも、新しい井戸の掘削にも、ほとんど許可が与えられない

パレスチナ自治政府が厳しい財政危機に直面しているさなか、イギリスに本部があるNGO、オックスファム・インターナショナルの報告書が公表され、イスラエルが、パレスチナ人に課しているヨルダン渓谷での土地や水の利用制限、また活動への制限を取り払うなら、パレスチナ人は、年間10億ドルの経済価値を(複数の試算による)を生み出すことができる、と明らかにした。

「ヨルダン渓谷は(…)、パレスチナの穀倉地帯になれる可能性を持っている」とNGOは報告書『危機に瀕して ― イスラエル入植地と、ヨルダン渓谷のパレスチナ人に対するその影響 ― 』で指摘している。「しかし、イスラエル入植地の執拗な拡張と、パレスチナの発展に対するそのほかの制限によって、これまで、パレスチナ人コミュニティーの生活は極端なまで困難なものにされてきた。」

ヨルダン渓谷と死海地域は、西岸の土地の約3分の1にあたり、およそ6万人のパレスチナ人が住んでいる。1993年のオスロ合意は、パレスチナ自治政府に権限を委譲するものだったが、与えられた自治の度合いが都市と地方の間で違いがあり、そのためイスラエルは、西岸の60%以上を民事行政上も軍事上も完全な支配下に置き続けた。これはC地区と呼ばれている区域である。ヨルダン渓谷の87%は、このC地区に含められている。A地区では、自治政府によってすべての管理が行われ、B地区では、軍事支配をイスラエルが、民事行政を自治政府が担当するとされている。こうした区域指定は、結果として、西岸を主に3つの、互いに切断されたエリアに分割してしまっている。

許可が承認されない

これは、ヨルダン渓谷の東部境界地域に位置し、遊牧と農業を営むコミュニティー、アル・アカバ村で起こったことである。1967年以前には、この村に約2,000人のパレスチナ人が住んでいた。今では、イスラエル軍政当局が、この土地の郊外に3つの軍事基地を作り、実弾を用いた軍事演習を、しばしば村の中でまで行うため、300人以下の住民しかいない。ヨルダン渓谷のパレスチナ人住民は、多くが農民かベドウィンであり、軍事封鎖区域や検問所、30以上の入植地によって囲い込まれて、それぞれ飛び地になったところにほとんどの人たちが住んでいる。彼らの生活上の活動は、厳しい許認可システムと「実弾」訓練区域によって、深刻な妨害を受けることになる。そう、ここでは、イスラエル軍は、頻繁に軍事訓練をパレスチナ人のコミュニティーから極めて近い場所で行っているのだ。

イスラエル兵から銃撃を受け、腰から下がマヒ状態になったアル・アカバ村の村長、ハジュ・サミ・サデクは、村での生活を続けるために、何年も軍事訓練に反対するキャンペーンを率いてきた。

2001年、イスラエル最高裁は、イスラエル兵が軍事訓練にアル・アカバ村の土地を使用することを停止し、村の入り口にある軍事キャンプのうちの一つを撤去するように命ずる判決を下した。

しかし、村長のサデクは、それを全く不十分なものだと語った。「村は常時、消滅の危機にさらされています。土地はしょっちゅう略奪されているし、家は破壊され、農作物も燃やされています。それに水がほとんど利用できないことも多い。」

2003年、イスラエル軍は、アル・アカバ村のほとんどの建物に対して、破壊命令を発令し始めた。それは、保育園、病院、モスク、ほぼすべての家屋を含むものだった。村議会は、またもやイスラエル最高裁に持ちんだ。それらの建物が、C地区内と言っても、パレスチナ人がパレスチナの土地に所有し建てたものであるにもかかわらず、しかし、最高裁は、イスラエル当局の許可なしに建てられものだとし、破壊命令を支持した。

サデクによると、村は許可を得るために、イスラエル当局に何度も「基本計画」を提出してきた。そのうちの1つは、1998年にまでさかのぼる。「行政管理局は、一番最近の基本計画も、数日前、はねつけた。そのうえ、さらにアル・アカバ村の5家族に家屋破壊要請をおこなった」

建築許可は、パレスチナ人にはめったに与えられない。たとえ、テントや水の容器のような小さな建造物であってもである。この制限的な建築計画制度のため、パレスチナ人は、いつ破壊されるかしれないとしても、許可なしに自分たちの家を建てざるをえないのである。

国連人道問題調整事務所(OCHA)の報告書によると、2011年、イスラエル軍政当局は、このエリアのパレスチナ人の建物200軒を破壊した。そこには、水タンクや、金属とプラスチック板でできた家なども含まれ、430人もの住民が強制退去させられ、他の1,200人の生活にも影響を与えた。

イスラエルのシステム化された政策

OCHAによると、家屋破壊の9割が、農業や遊牧を行なうコミュニティーで引き起こされている。エルサレムに拠点を置く「アラブ研究協会」の地図・地理情報部長、ハリーリ・タファクジは、「イスラエルの目的は、パレスチナ人の空間をコントロールする方法としてヨルダン渓谷を利用することです」と語った。彼は、「コントロール(支配)」の手法をいくつも挙げた。土地を、軍事閉鎖区域や自然保護区、入植地に指定することもそれに含まれる。

「パレスチナ人には、この地域を守るための戦略的計画が必要とされています。エルサレムのために行なっているようなそんな計画です。必要なのは、ヨルダン渓谷をパレスチナ人全体の優先事項にすることです」そうタファクジは続けた。国連の関連機関やイスラエルの人権団体は、イスラエルが押しつけてきた政策は、まさにヨルダン渓谷のパレスチナ人コミュニティーの発展を阻害するためになされている、と報告書の中で、何度も結論づけている。

イスラエルの人権グループ 「権利の実行計画のためのプランナーたち(BIMKOM)」によると、「権利を制限しようとするイスラエルの計画政策は、土地支配のためにイスラエルが引き起こしてきた紛争の中心的な道具であり、また、イスラエルの利益のために(主として入植地のために)、土地の大部分を確保しようとするイスラエル行政当局のたくらみである。」

その一方で、入植地活動は衰えることなく継続されており、オックスファムによると、西岸全域で2010年と比べて2011年は20%も増加している。同時期、家屋破壊によって強制退去させられたパレスチナ人の数は倍増し、そうした家屋破壊の6割が、入植地に近い区域で行なわれた。

(以下は、原文をお読みください)

原文:Al Jazeera: Israel restricts Jordan Valley water access

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